プレスリリースのポイント
- ローンチパッドの仕組みや進化、最新の動向を主要なCEX・DEXの事例を使って解説
- プラットフォームごとのROIや参加条件、公正なトークン配布への提案
ローンチパッドとは?暗号資産トークン提供の進化
暗号資産(仮想通貨)市場では、従来のICO(Initial Coin Offering)から、現在は「ローンチパッド」という仕組みを中心に、新しいプロジェクトへの資金調達やトークン配布が行われています。
今回、MEXC Researchが発表した「From ICO to Launchpad」という業界レポートでは、ローンチパッドの進化と、そのエコシステムへの影響を詳しく分析しています。
CEX・DEXローンチパッドの最新動向と比較(MEXC, Bybit, Gate.io, pump.fun等)
現在、ローンチパッドは中央集権型取引所(CEX)と分散型取引所(DEX)の両方で活発に展開されています。しかし多くのユーザーは、不透明な割当方式、評価基準の不統一、そして初期段階プロジェクトへのアクセスの困難さといった課題に直面しています。
例えば、MEXC Launchpadは2025年前半に5つのプロジェクトを公開し、平均最大ROI10.83倍を記録。VIP要件がなく、「デュアルプール方式(2種類の参加プール)」を採用しています。
Bybitでは、Xterioプロジェクトで14.71倍という高いROIを実現したものの、参加にはステーキングやVIPティアが必要でした。
Gate.ioは、参加に必要な最低額が1 USDTと最も低い金銭的ハードルを提供しましたが、ステーキングを行ったユーザーに多くのトークンが割り当てられる仕組みとなっています。
一方、pump.funのようなDEXプラットフォームは、誰でも参加できるオープンアクセスを提供し、バイラル的な人気を集めていますが、詐欺リスクや価格変動の大きさ、さらにプロジェクトの審査が不十分であるといった課題が指摘されています。
CEX・DEXそれぞれのローンチパッドの主要な特徴をまとめると以下のようになります。
- MEXC:2025年前半に5件のプロジェクト公開・VIP要件なし・デュアルプール方式
- Bybit:XterioプロジェクトでROI14.71倍・ステーキングやVIPティア必要
- Gate.io:1 USDTから参加OK・フラットだがステーキング優先
- pump.fun(DEX):誰でもオープン参加・バイラル型、ただしリスク管理が課題
また、ローンチパッドの多くが現在では長期的な成長を目的とするというよりも、マーケティングツールや流動性確保の手段として利用されていることが指摘されています。
ローンチパッドの新トレンドと今後の注目点
レポートでは、ローンチパッド設計に内在するいくつかの構造的なジレンマについて、記載されています。
- 1.「ダイナミックプライシングによるフェアローンチ」では、pump.funのボンディングカーブモデルのような価格決定方式が民主化を進めていますが、不正への対策が必要
- 2.「貢献度に基づく割当モデル」では、プロジェクトへの参加やNFT保有実績を評価する方式が注目されている
- 3.「CEX主導のインキュベーションモデル」では、MEXCのような取引所がトークン販売だけでなく、プロジェクト運営全体をサポートする仕組みが登場
公正なトークン配布に向けた今後の改善提案
レポートは、公正な資金調達とユーザー保護のため、いくつかの改善提案も提示しています。
- 「トークンの過剰評価を防ぐために、FDV(フルリーディルーテッドバリュエーション=将来的に供給される全トークンの時価総額)の上限を設定」
- 「パブリックラウンドの割当拡大」
- 「VIP限定条件を廃止し、より柔軟で多様な参加資格基準へ移行」
- 「上場後の責任・ロードマップの追跡」
今後のローンチパッド市場は、透明性と参加のしやすさの両立がより重視されていくと考えられます。
まとめ
暗号資産のトークン提供方法は進化を続けており、従来のICOからローンチパッドへの移行が進んでいます。
現在、MEXCやBybit、Gate.ioなど多くの取引所で独自のローンチパッドが展開され、ROIや参加条件も多様化しています。CEX・DEXともに新たなトレンドが生まれ、公正なトークン配布に向けた提案も提示されています。
今後は、CEXの持つ信頼性やセキュリティと、DEXの開放性やバイラル性を組み合わせたハイブリッド型のローンチパッドが登場し、より厳格なリスク管理と価値整合性が求められるようになると予想されます。