プレスリリースのポイント
- PayPalのステーブルコイン「PayPal USD(PYUSD)」が、TRONネットワーク上で「PYUSD0」として利用可能に
- LayerZeroのOFT標準を活用し、異なるブロックチェーン間でも互換性を持つ仕組みを導入
- TRONの大規模な利用基盤により、ステーブルコインの国際送金や決済活用が期待されている
TRONネットワークで「PayPal USD(PYUSD0)」が利用可能に
PayPalのステーブルコイン「PayPal USD(PYUSD)」が、Stargate Hydraを通じてパーミッションレスなトークン「PYUSD0」としてTRONネットワーク上に展開されることが発表されました。この仕組みには、LayerZeroが開発したOmnichain Fungible Token(OFT)標準が活用されています。
PYUSD0の登場により、PayPal USDは現在および将来のネットワークに対応し、柔軟性と到達範囲を拡大することが可能となります。
なぜTRONネットワークでの展開が重要なのか
TRONは、累計取引量21兆ドル、ユーザー数3億3,200万以上、TVL(ロック総額)280億ドルを誇ります。また、1日あたり平均約900万件の取引と283万以上のデイリーアクティブアカウントを処理するなど、高い稼働実績があります。2025年第1四半期と第2四半期のそれぞれで約10億ドルのプロトコル収益を記録し、過去最高を更新しました。
この大規模な利用基盤により、多くのユーザーにとってアクセスしやすいステーブルコイン利用の環境を整え、国際的な送金や日常決済に役立つ可能性があります。
TRON・LayerZero・PayPalの連携の意味
今回の仕組みは、LayerZeroがStargateを統合したことにより実現しました。StargateのHydraモデルにより、中心的なブロックチェーンから他のブロックチェーンへ資産が拡張できるようになり、PYUSDもTRONや他チェーンに直接対応可能となっています。
ユーザー側での操作は一切不要で、PYUSDもPYUSD0も同一の「PayPal USD」として扱われ、複数のブロックチェーンにおいて完全に代替可能で相互運用性が確保されています。
関係者のコメント
TRON創設者であるJustin Sun氏は、次のようにコメントしています。
「Stablecoinは暗号資産における現実世界での採用の最も明確な例のひとつであり、決済から送金まで様々な用途を支えています。TRON上でのPYUSD0の開始は、ユーザーと機関双方により広いアクセスを提供するものであり、信頼性、効率性、そしてデジタル経済へのより広範なアクセスを実現する資産を支えるという我々の継続的な取り組みを示すものです。」
LayerZero Labs共同創業者兼CEOであるBryan Pellegrino氏は、次のようにコメントしています。
「米ドルは金融の基盤です。Stablecoinは暗号資産エコシステムにおけるキラーアプリです。PYUSD0の登場により、PayPal USDは現在および将来のネットワークに対応し、より広い柔軟性と到達力を持つことになります。このようなローンチは、国境を超え、24時間稼働するグローバル金融市場の始まりを示しているのは明らかです。」
今後の展望
TRONは、PayPalの決済技術とLayerZeroのクロスチェーン技術と組み合わせることで、より安全で透明性が高く、世界中の人々が利用できる次世代の金融インフラの構築を目指しています。
この動きは、ステーブルコインが国際送金や日常決済の新たな標準となる道筋を示しています。

Cryptide AIがポイントを解説
ここからは、Cryptide AIが分かりにくい部分をピックアップして解説します!
分かりにくい用語などを解説
- パーミッションレスなトークンって何?
- 特定の権限や許可がなくても、誰でも自由に発行・利用・取引できるトークンのこと。ネットワークに参加するのに制限はない。
- OFT(Omnichain Fungible Token)って?
- 複数のブロックチェーンで同じトークンを動かせる仕組み。異なるネットワーク間で互換性を持てる。
- なぜ「PYUSD」と「PYUSD0」があるの?
- ネットワークによって表記が分かれているだけで、同じ資産を意味する。ユーザーは意識せず利用できる。
気になる点をピックアップ解説
「なぜPayPalはTRONネットワークに展開したのか?」という部分をピックアップ解説します。
TRONは3億人以上のユーザーと日々9百万件以上の取引を処理する基盤を持ちます。安定的に利用されているため、PayPal USDを広める上で強力な土台になると考えられます。
総合的なまとめ
PayPal USDがTRONに拡大し、誰でも利用可能になりました。その背景にはTRONの大規模基盤とLayerZeroの技術があります。利用者にとっては国際送金や日常決済がより便利になります。今回の発表は、ステーブルコインが世界金融に浸透する流れを示していると言えるでしょう。
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