プレスリリースのポイント
- TezosのEVM互換ネットワーク「Etherlink」が第6回アップグレード「Farfadet」を実施
- Etherlinkが処理能力とトランザクション速度を大幅に改善し低手数料を維持
- DeFiやWeb3ゲームなどエコシステムが2025年末に急成長
TezosのEVM「Etherlink」が第6回アップグレード「Farfadet」を実施
【ロンドン 2025年12月22日】
TezosのEVM互換ネットワークである「Etherlink」が、ガバナンスの承認を経て第6回目となるアップグレード「Farfadet」を実施しました。
2025年初頭には146万ドルだったTVL(預かり資産総額)は11月には8,273万ドルを超え、主要なDeFiプロトコルとの統合やゲーム分野の拡大が進みました。
Farfadetは、Calypso、Dionysus、Ebisuなど、主要な技術インフラの進歩をもたらした2025年の急速なアップグレードに続く最新のものです。
Etherlinkアップグレード「Farfadet」の概要と技術的進化
今回のFarfadetアップグレードでは、以前導入された「高速出金」機能強化を基礎にしています。
Farfadetはチェーンのキャパシティをほぼ倍増させ、ネットワークは1セント未満の低い取引コストを維持したまま、1秒間に1,000件以上のネイティブ転送を処理できるようになりました。
さらに「即時確認(Instant Confirmations)」の導入は、高速取引を求めるDeFiトレーダーや遅延のない体験を重視するゲーマーにとって価値のある機能となっています。
Nomadic LabsのCore DeveloperであるThomas Letan氏は、次のようにコメントしています。
「Farfadetは、ネットワークの利用状況を先取りし、最新のEVM互換性を必要とするプロジェクトに対してTezosプラットフォームを常にオープンでアクセス可能な状態に保つという、私たちのコミットメントを象徴しています。Ethereumのハードフォークからわずか数日後に新しいEVMバージョンを有効化できたのは今回が初めてであり、今後はこれを標準にすることを目指しています。」
DeFiエコシステムの拡大と3百万ドル規模のインセンティブプログラム
Etherlinkのユーザー数はここ数か月で急増しています。
その背景には、3百万ドル規模のインセンティブプログラム「Apple Farm」の開始があります。
この取り組みは、Etherlinkのエコシステムを急速に拡大させ、現在は第2シーズンに突入しています。
加えて、下記の主要なDeFiプロトコルがEtherlinkと統合され、活発なDeFiエコシステムの成長を後押ししました。
- Oku
- Morpho
- Superlend
- Hanji
- Jumper Exchange
- Curve Finance
- Gearbox Protocol
OkuはUniswap v3やMorphoの機能、DeFiアグリゲーションをEtherlinkユーザーにもたらし、Lombard FinanceはLiquid Bitcoin(LBTC)を導入しました。
さらにMidasはMEV CapitalやRe7といった主要VCの支援を得て、機関投資家向けのトークン化資産を展開しています。
ゲーム分野の台頭とWeb3の新たな展開
Etherlinkの成長はDeFiだけでなく、ゲーム分野にも及んでいます。
Distinct Possibility Studiosが開発したAAA級のオープンワールド・エクストラクション・シューター「REAPER ACTUAL」が、Etherlinkインフラを採用する新しいWeb3プロジェクトとして発表されました。
Etherlinkは数百万ドル規模のプロトコルTVLを集め、すでに438,500人のユニークゲームユーザーを獲得。
年末時点でEVM互換の分散型基盤として確固たる地位を築き、「民主的なウランアクセス(Tezosエコシステムで展開されているRWA(現実資産)のトークン化プロジェクトに関する成果)」を実現したと報告されています。
Etherlinkについて
EtherlinkはTezosのSmart Rollups技術をベースに構築されたEVM互換のブロックチェーンです。
開発者はEthereumや他のチェーンと互換性のあるEVMコードベースを簡単に展開でき、他ネットワークとの資産移転やユーザー移行をスムーズに行うことが可能です。異なるブロックチェーン間での相互運用性とシームレスな資産移動が可能になります。

Cryptide AIがポイントを解説
ここからは、Cryptide AIが分かりにくい部分をピックアップして解説します!
分かりにくい用語などを解説
- EVM互換とは?
- EVMはEthereum Virtual Machineの略で、Ethereum上で動くプログラムを他のチェーンでも使えるようにする技術です。Ethereum開発者はEtherlinkでも同じコードを活用できます。
- Tezos Smart Rollupsとは?
- TezosのSmart Rollupsは、取引や処理を一部まとめて実行し、メインのチェーンの負担を減らす仕組みです。処理が速くなり、手数料も抑えやすくなります。
- ネイティブ転送とは?
- ネイティブ転送は、そのチェーンの標準の送金処理のことです。たとえばトークンの複雑な処理ではなく、基本の「送る・受け取る」を高速にこなせる指標になります。
気になる点をピックアップ解説
「Etherlinkを利用した場合のメリットは?」という部分をピックアップ解説します。
Etherlinkのメリットは、Ethereum向けに作ったアプリを活かしやすい点と、送金や取引の体感速度を上げつつ手数料を低く保てる点です。
アップグレードで処理能力が増え、即時確認のような機能も入ると、DeFiの高速取引やゲームの遅延対策に向きます。
さらに複数の主要DeFiが統合すると、流動性や選択肢も増えやすくなります。
総合的なまとめ
EtherlinkはTezos上のEVM互換ネットワークで、2025年に「Farfadet」アップグレードを実施しました。
処理能力を約2倍にし、毎秒1,000件超の転送や即時確認を可能にしつつ低手数料を維持。TVLは年初146万ドルから11月に8,273万ドル以上へ拡大し、主要DeFiやゲーム連携も進み、大きな成長を遂げた年となりました。
参考URL:

