プレスリリースのポイント
- BybitとBlock Scholesが最新の暗号資産デリバティブ分析レポートを共同発表
- 暗号資産市場では建玉減少と弱気ムードが続き、ビットコインは6か月ぶりの安値を記録
- オプション市場ではプットオプション偏重と高ボラティリティが注目点
BybitとBlock Scholesが暗号資産デリバティブ分析レポートを発表
【UAE・ドバイ 2025年11月14日】
BybitはBlock Scholesと共同で「Bybit x Block Scholes Crypto Derivatives Analytics Report(暗号資産デリバティブ分析レポート)」を発表しました。
レポートは、暗号資産デリバティブのデータと市場センチメントを詳細に分析し、ビットコインが過去最高値から20%以上下落する前兆ともいえる動きが見られたことを指摘しています。
暗号資産デリバティブ市場の動向:パーペチュアルスワップの建玉半減
レポートによると、主要な暗号資産のパーペチュアル(無期限先物)の資金調達率は、市場心理がまちまちな状態を示しており、とくにアルトコインでは弱気傾向が強まっています。
主要銘柄のパーペチュアルスワップ建玉総額(オープンインタレスト)は10月初旬から約半分に減少しており、ロングポジション(買い)を再構築する動きには慎重な姿勢が続いています。
オプション市場の分析:プットオプションに偏る弱気ムード
オプション市場については、ボラティリティ(価格変動率)の期待値が依然として高い状態が続いており、特に弱気のプットオプション(売り契約)に取引が偏っています。
全体的なオプション取引活動は10月と比較して減少しており、短期的にトレーダーが慎重な見方をしていることがうかがえます。
米国政府のシャットダウン後も続く暗号資産の苦戦
レポートでは、43日間に及んだアメリカ政府のシャットダウンが終了した後、株式市場が力強く反発した一方で、暗号資産市場では価格を取り戻す動きが鈍かったことが指摘されています。
スポット市場では反発を試みるものの、度々抵抗線にぶつかり上値を抑えられており、投資家心理にまだ弱気な傾向が強いことがわかります。
また、高水準のインプライド・ボラティリティが続いていることも、市場全体が楽観的なムードを織り込みきれていないことを示しています。
デリバティブ市場の清算と慎重なトレード姿勢
デリバティブ市場全体では、主要パーペチュアルスワップの建玉が減少しており、トレーダーの慎重な戦略が続いています。
10月の下落相場では近年で最大級の清算イベントが発生しました。その経験から、多くの投資家がロングポジションへの再参入をためらっている状況です。
一方で、ヘッジ目的のプットオプション(保険的プット)のプレミアム(価格)が上昇し、取引量が減少しています。これにより、短期的には依然として弱気ムードが市場を支配していることが示されています。
ビットコイン6か月ぶりの安値に
このように、市場全体でのポジションの偏りが価格のサポートラインを脆弱にし、ビットコインが6か月ぶりの安値をつける結果となりました。
BybitとBlock Scholesの分析によると、現在の市場構造では、投資家の慎重姿勢と過去の清算リスクが影響し、回復へのモメンタムが抑制されているようです。
Bybitについて
Bybitは2018年に設立され、7,000万人を超えるユーザーにサービスを提供している世界第2位の暗号資産取引所です。
同社は「オープンネス(開放性)」を理念に掲げ、誰もがシンプルで公平に参加できるエコシステムを構築することを目指しています。
また、BybitはWeb3分野や分散型金融(DeFi)にも力を入れており、有力なブロックチェーンプロトコルとのパートナーシップを通じて堅牢なインフラを提供しています。さらに、安全なカストディ(資産管理)、多様なマーケットプレイス、直感的なユーザー体験、高度なブロックチェーンツールを通じて、TradFi(従来の金融)とDeFiをつなぐ架け橋となっています。
完全な分析内容は「Bybit x Block Scholes Crypto Derivatives Analytics Report」で確認できます。

Cryptide AIがポイントを解説
ここからは、Cryptide AIが分かりにくい部分をピックアップして解説します!
分かりにくい用語などを解説
- プットオプションとは?
- プットオプションとは「特定の資産をあらかじめ決めた価格で売る権利」を意味します。価格が下がるときに利益を得ることができるため、相場の下落リスクに備える“保険”のような役割を果たします。たとえば、ビットコインが下がると予想する人がプットオプションを買うことで、値下がりしても損失を抑えられます。
- オープンインタレストとは?
- オープンインタレストとは「未決済の建玉(ポジション)」の合計数を指します。この数字が増えると新しい資金が市場に流入していることを意味し、減ると取引が減少し、市場が慎重になっていることを示します。
- インプライド・ボラティリティとは?
- インプライド・ボラティリティは、将来の価格変動がどのくらい起こりそうかを市場が予想した数値です。オプション取引の価格から算出され、「市場の不安度」を示す指標ともいえます。この数値が高いほど「将来の値動きが大きくなりそう」と考えられ、低いと「落ち着いた相場」が予想されます。
気になる点をピックアップ解説
「なぜ暗号資産市場では建玉が減少し、回復が鈍いのか?」という部分をピックアップ解説します。
暗号資産市場で建玉(オープンインタレスト)が減少しているのは、投資家が「リスク回避」を強めているためです。10月に発生した大規模な清算イベントで多くのトレーダーが損失を被り、ポジションを積極的に取らなくなりました。さらに、プットオプションの需要が高まっていることは、短期的な下落を警戒する心理の表れです。
市場では依然として高いボラティリティ(価格変動)が続き、安定的な反発材料が乏しいため、資金が再び流入しにくい状況になっています。こうした慎重な投資姿勢が、回復の鈍さにつながっています。
総合的なまとめ
BybitとBlock Scholesによる暗号資産デリバティブ市場の分析結果を通じ、投資家心理・市場構造の現状を明らかにしています。市場では建玉減少、弱気姿勢、高ボラティリティが同時に進行し、ビットコインを含む主要資産の回復力を抑制しています。
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