プレスリリースのポイント
- ステーブルコイン市場は2024年1月から約120%成長し、時価総額は3,000億ドルに迫っている
- 利回り付きステーブルコインが注目され、複数のプロジェクトが台頭している
ステーブルコイン市場の急成長とDWF Venturesの分析
暗号資産の中でも特に安定した価値を持つ「ステーブルコイン」の市場は、近年大きな成長を遂げています。
DWF Labsの投資部門であるDWF Venturesが発表した最新の分析によると、ステーブルコイン市場の時価総額はすでに3,000億ドルに迫っており、2024年1月から約120%も増加しました。
このレポートはX(旧Twitter)のスレッドとして公開され、2024年1月以降に約120%成長した要因を特に利回り付きステーブルコインに焦点を当てて分析しています。
ステーブルコイン主要プロジェクトのユースケースや仕組み
DWF Venturesのレポートは、ステーブルコインの資産クラスとしての台頭を示すだけでなく、主要プロジェクトごとのユースケースや仕組みを詳しく解説しています。
利回り型ステーブルコインの比較では、下記のプロジェクトが取り上げられ、担保の種類、流通供給量、完全希薄化後の評価額(FDV)といった指標も比較されています。
- FalconのUSDf:7日平均APY 8.98%
- EthenaのUSDe:7.39%
- AaveのGHO:7.84%
DWF Venturesは、ステーブルコインが誕生以来、暗号資産と従来の金融(TradFi)をつなぐ重要な架け橋へと進化し、ブロックチェーン産業に不可欠な存在となったことを強調。
一方で、USDTとUSDCの優位は当面揺るがないとしながらも、シェアを伸ばし始めている利回り型ステーブルコインの台頭に注目しています。
EthenaやFalcon Financeに加え、Sky、Ondo Finance、Usual、Resolv Labs といったプロジェクトも紹介され、それぞれの設計上の違いとして、裏付け資産の種類が挙げられています。その裏付けには、他のステーブルコインや主要暗号資産(BTCやETH)、さらにはRWA(実世界資産)が含まれる場合があります。
代表的な手法としては、下記の方法が挙げられており、多くの利回り型ステーブルコインは、これら複数のソースを組み合わせて利回りを確保しています。
- RWAからの収益
- 資金調達レートの裁定取引
- ステーキング利回り
- DeFiでの運用益
- プロトコル収益の分配
各プロジェクトごとの特徴
レポートでは、ステーブルコイン分野の主要プレイヤーがどのように進展しているかが評価されています。
たとえばFalcon Financeは、現在流通供給量18億ドル、月間ユーザー数5.9万人を誇り、最も成長の速い利回り型ステーブルコインのひとつとなっています。さらに、Aaveのレンディングプロトコル開発におけるGHOの役割についても取り上げられており、その利回りはプロトコル収益から生み出されています。
DWF Venturesが分析したその他の主要な利回り型ステーブルコインプロジェクトには、Ethena、Resolv Labs、Sky、Ondoが含まれます。
- Ethena:USDeが流通供給量137億ドル、市場占有率4.65%に達し、世界第3位のステーブルコインとなった点
- Resolv:ステーキングや資金調達レートの裁定取引から利回りを創出している点
- Sky:ガバナンスを中核に据えたUSDSステーブルコインの運用
- Ondo:短期米国債や銀行の要求払い預金を裏付けとするUSDY
ステーブルコイン市場が持つこれからの可能性
DWF Venturesはレポートの中で、ステーブルコインが今や「暗号資産と伝統金融をつなぐ重要な役割」を担っていると指摘しています。
従来はUSDTやUSDCといった大手ステーブルコインが市場シェアの大部分を占めていましたが、近年は利回り付きステーブルコインも存在感を強めてきました。
DWF Venturesは次のように結論づけています。
「利回りを生むステーブルコインの成長は、ここ数年で非常に大きなものとなっています。規制の明確化が進み、機関投資家の資本がオンチェーンでの機会を求めていることから、この急速な成長は今後も続くと予想されます。市場のリーダーは、市場の拡大に合わせてスケールできる能力、ユーザーに持続的かつ高い利回りを提供する能力、そして複数の資産や資産クラスにわたって資本効率を高める能力によって定義されるでしょう。」

Cryptide AIがポイントを解説
ここからは、Cryptide AIが分かりにくい部分をピックアップして解説します!
分かりにくい用語などを解説
- ステーブルコインとは?
- 米ドルなどの法定通貨に価値を連動させ、価格変動を抑えた暗号資産。
- 利回り付きステーブルコインとは?
- 値動きが安定しているステーブルコインに、利息のような収益を組み合わせた仕組み。
- RWAとは?
- 不動産や国債など、ブロックチェーンの外にある実世界の資産を指す。
気になる点をピックアップ解説
「高い利回りはどのようにして持続できるのか?」という部分をピックアップ解説します。
高利回りはRWA、ステーキング、DeFi収益など複数の手法を組み合わせることで実現しています。ただし、市場環境の変化や流動性リスクにより利回りが変動する可能性もあり、持続性はプロジェクトごとの仕組みに依存します。
総合的なまとめ
ステーブルコイン市場は急成長しており、その中でも利回り付きステーブルコインは特に注目を集めている存在です。各プロジェクトは担保資産や利回りの仕組みに大きな違いがあり、今後の市場シェア拡大に向けて活発な競争が続くことが予測されます。
参考URL: