プレスリリースのポイント
- kpkがMorphoネットワーク上で「エージェント駆動型Vault」を正式ローンチ
- 自動化とオンチェーンポリシー制御により透明性と効率性を両立
- DeFi運用の規律とガバナンスの新たな基盤を提示
kpkがMorpho上で発表した「エージェント駆動型Vault」とは
【パナマ 2025年11月13日】
暗号資産の非カストディアル（自己管理型）資産運用をリードする kpk は、ユニバーサルレンディングネットワーク Morpho 上で「エージェント駆動型Vault（ボールト）」をローンチしました。これにより、自動化と透明性の高いポリシー実行を通じて、オンチェーン資産運用を拡張するとしています。
kpkがMorpho上で発表した「エージェント駆動型Vault」とは
kpkは、非カストディアル資産運用において透明かつ検証可能なしくみを構築する企業です。
今回ローンチされたVaultは、Morphoネットワークの100億ドルを超える効果を活用し、世界中の大手フィンテックや銀行と連携して自律的に運用される「マネージドイールド戦略」を提供します。
このVaultでは、流動性の管理やリスク最適化などを、事前に定義されたオンチェーンポリシーに基づいて実行するエージェントが担当します。エージェントは裁量を持たず、設定されたルールに従ってのみ動作します。
同社の非カストディアル基盤は2020年以降、GnosisやENSといった大規模オンチェーン組織の財務管理を支えてきました。すべての処理は明確なロジックで実行され、透明性と規律を込んでいます。
kpk共同創業者であるMarcelo Ruiz de Olano氏は、次のようにコメントしています。
「私たちは常に、分散型金融インフラは開かれ、公平であるべきだと信じてきました。今回のリリースにより、DAO を支えるプロフェッショナルグレードの財務システムをオンチェーン上のすべての人に提供します。これはアクセスの民主化に関する取り組みです。規模や技術的専門性に関係なく、すべてのユーザーが大規模組織と同じ自信と効率性をもって資産を管理できるようにするためのツールを提供することが目的です。」
自動化とポリシー制御による透明な運用
Vaultの中核には、kpk独自のオンチェーンポリシーレイヤーがあり、資産運用を統制するルールやセーフガードを定義しています。
これに基づく自動化により、運用は継続的かつ予測可能に実施されます。
- Rebalancing Agentは最適な利用率と利回りを保つため、承認済みマーケット間で流動性を再配分します。
- Exit Agentはオラクルの停滞、流動性ストレス、価格乖離などのリスクに反応し、流動性不足を防ぐ（または最小限に抑える）ために、数秒以内に資金を再配置します。
これらのエージェントはAIではなく、監査可能で限定的な権限を持つロジックベースのプログラムです。すべての操作が事前定義されたルールに従って行われるため、透明性と非カストディアル性が保証されています。
ローンチされたVaultの概要
最初にリリースされるエージェント駆動型Vaultシリーズは、ステーブルコインおよびETHを対象とした分散戦略を採用しています。
それぞれのVaultは完全自動化された低リスク設計で稼働し、リアルタイムで市場状況に応じて資産配分を調整します。
- kpk USDC：wstETH、BTC、ETH+などの優良担保市場にUSDCを配分。多層構造と上限管理で安全性と利回りを両立。
- kpk EURC：階層的上限を設定し、安定したリスク管理を実施。
- kpk ETH：選定市場にETHを貸出し、リバランスによる最適化を実現。
- kpk USDC Yield（Arbitrum）：Arbitrumネットワークで同様のポリシーを適用し、報酬の高い市場間で動的再配分を実行。
すべてのVaultは ERC-4626 標準に準拠し、完全な透明性を確保しています。パラメータやオラクル情報、配分内容は kpk handbookおよびMorphoインターフェースから確認できます。
パフォーマンス実績とテスト結果
ソフトローンチ期間中、EURC市場が一時的に利用率の閾値を超過して流動性が逼迫しました。Vault のエージェントが数秒で資産の 20％ を再配分し、全額引き出し可能な状態を維持。一方、手動管理の Vault は対応に数時間かかりました。
テスト期間では、週ごとの実現利回りが同類ベンチマークを最大46％上回り、エージェントによる効率的な実行が確認されました。この結果は、自動化が運用規律として機能していることを示しています。
オンチェーン資産運用の次のステップ
Morpho上でのエージェント駆動型Vaultローンチは、オンチェーン資産運用の新たな時代の幕開けを示します。kpkはロジックを実行プロセスに直接組み込み、配分・リスク管理・レポートをオンチェーンで透明化しています。
これにより手動管理のボトルネックが解消され、透明でスケーラブルな運用が可能になります。自動化は管理を置き換えるものではなく、その範囲を広げるものであり、DeFiの新しい基盤を形成するとしています。
kpkについて
kpk（旧 karpatkey） は、DeFiの財務運用とオンチェーンガバナンスの分野で実績を築いた企業です。透明性と持続可能な運用を軸に、数多くのプロトコルを支援しています。
※Vault利用は一部地域で制限される場合があり、本内容は違法となる地域での募集または勧誘を意図したものではありません。
Cryptide AIがポイントを解説
ここからは、Cryptide AIが分かりにくい部分をピックアップして解説します！
分かりにくい用語などを解説
- Vault（ボールト）とは？
- DeFi（分散型金融）で使われるスマートコントラクトの一種で、ユーザーが預けた資産を自動的に運用し、利回りを生み出す仕組み。銀行の定期預金に近いイメージですが、完全にプログラムで運用される点が特徴です。
- Rebalancing Agentとは？
- Vault内の資産配分を自動で最適化するプログラム。たとえば、複数の市場に分けて預けた資金のバランスが崩れた場合、利回りを最大化するように自動的に再配分してくれます。
- ERC-4626準拠とは？
- Ethereum（イーサリアム）の技術標準のひとつで、Vault（資産運用コントラクト）の構造を統一するルール。これに準拠しているVaultは他のDeFiアプリと互換性が高く、安全性と透明性の指標として扱われます。
気になる点をピックアップ解説
「エージェント駆動型Vaultを利用した場合のメリットは？」という部分をピックアップ解説します。
エージェント駆動型Vaultの最大の利点は、自動化された資産管理と即時リスク対応にあります。
手動では数時間かかる再配分を、エージェントは数秒で実行できます。流動性が急減したり、相場が急変した際にも迅速に資産を守ることが可能です。また、オンチェーンポリシー（運用ルール）が公開されており、第三者が監査可能なため、透明性と信頼性が高い点も魅力です。
一方で、スマートコントラクトの脆弱性やバグによる損失リスクが存在する点がリスクとなります。
総合的なまとめ
kpkがMorpho上でエージェント駆動型Vaultを発表し、DeFi資産運用における新たな透明化モデルを提示しました。自動化されたロジックとポリシー制御によって安全で一貫した運用が可能になります。
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