プレスリリースのポイント
- MaestroがDFINITY Foundationからの支援を受け、ICP向けにBitcoin資産用インデクサーを開発
- 開発者はOrdinalsおよびRunesのデータへ直接かつ信頼不要なアクセスが可能
- 初導入となるLiquidiumを含め、ICPエコシステムに高度なオープンソースインフラが拡大
MaestroがICP向けにネイティブインデクサーを開発
MaestroがDFINITY Foundationからの助成を受け、Internet Computer Protocol(ICP)向けにエンタープライズグレードのネイティブBitcoinメタプロトコルインデクサーを開発することが決まりました。
この新しいインデクサーによって、リアルタイムでOrdinalsやRunesといったBitcoin資産のデータをICPのキャニスター(ICP独自の「スマートコントラクト」のようなもので、コードとステートを一体で保持するコンテナ)内で提供できるようになります。
インデクサー(Indexer)とは、ブロックチェーンデータを効率的に検索・取得できるようにするための「データ変換・蓄積システム」です。ブロックチェーンのような構造では、データは時系列に直列で格納されており、必要な情報に即座にアクセスするには適切な「インデックス構造」が必要になります。ネイティブインデクサーとは、ブロックチェーンのプロトコル自身が公式に提供するインデクサー機能のことです。
MaestroとDFINITY Foundationによるパートナーシップのポイント
ICPのBitcoin統合機能は、Chain Fusion技術により既にBitcoinスマートコントラクトプラットフォームとして高い評価を受けており、今回の開発によって、OrdinalsやRunesを軸としたアプリケーションの基盤がさらに強化され、高度で安全なデータのリアルタイム提供が可能になります。
ICP・Ordinals・Runesとは?
Internet Computer Protocol(ICP)は、サーバーや中央集権型インフラに依存せず、直接ブロックチェーン上にアプリケーションを展開できる分散型web3クラウドプラットフォームです。
高速・低コスト・高いスケーラビリティを兼ね備えており、開発者は中央集権的なクラウドサービスと同等以上の機能性・効率・セキュリティを備えたDeFiアプリを構築できます。今回のインデクサーによって、こうしたICPの魅力がさらに高まります。
「Ordinals」「Runes」はBitcoinネットワーク上で扱われる新しい仕組みの資産です。
Ordinals(オーディナルズ)は、Bitcoinの「最小単位」であるSatoshi(サトシ)にメタデータを埋め込むことで、NFTのようなユニークなトークンを実現する仕組み。Runes(ルーンズ)は、Bitcoin上でFungible Token(代替可能なトークン)を発行・運用するための新しいプロトコルです。
Bitcoin自体だけでなく、こうした資産も正確に追跡・管理したり、ネイティブな形で検証したりする必要があり、そのためのインデクサーが開発されています。
LiquidiumなどのDeFiアプリで活用される新インデクサー
Maestroの新しいインデクサーは、Bitcoinで最大のレンディングプロトコルであるLiquidiumで最初に活用されます。
たとえば、ユーザーがBitcoin Layer 1上にBTCをロックして、Ethereum上でUSDT(米ドル連動の暗号通貨)を借りるといったインスタントクロスチェーンローンにも対応。これにより、ブリッジやラップドトークンなど従来の中間システムを使わなくても異なるブロックチェーン間のやりとりが実現します。
Maestroインフラ拡大がもたらすBitcoin DeFiの可能性
Maestroのインフラはすでに1,000人を超える開発者から信頼され、200以上のアプリケーションで活用されています。ICPエコシステムにもこの強力なサービスが拡大され、すべてオープンソースとして提供されることで、誰もがBitcoin上に安全性と透明性の高いアプリを構築できます。
Maestro共同創業者兼CEOのMarvin Bertin氏は、次のようにコメントしています。
「Liquidium や Odin.fun のような金融アプリに必要な、安全な Runes および Ordinals のインデックス機能を通じて、ICP のビットコイン統合をさらに拡張するために DFINITY Foundationと協力できることを大変嬉しく思います。このパートナーシップにより、ビットコイン DeFi エコシステムにおける ICP のリーダーシップがさらに強化され、ユーザーにとって新たな機能が解放されます。」
DFINITY Foundatioのグロース担当副社長のLomesh Dutta氏は、次のようにコメントしています。
「Maestroのネイティブインデクサーは、Internet Computer上で成長を続けるビットコインDeFiエコシステムにとって、貴重なインフラの一部となります。これにより、開発者はOrdinalsおよびRunesのデータに対して、直接かつ信頼不要なアクセスが可能となり、ブリッジや仲介者を介さずにビットコインとやり取りできるChain Fusionの独自機能に支えられた、巨大なイノベーションの波をさらに推進できるようになります。」
まとめ
Bitcoin DeFi分野では、MaestroとDFINITY Foundationの提携によって、ICP上でのOrdinalsやRunesなどのBitcoin資産の活用が大きく進展しました。
これにより、高度な安全性とリアルタイム性を備えた分散型金融アプリがICPエコシステムに新たな可能性をもたらしています。
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