プレスリリースのポイント
- Term Structure Labs Limitedが機関投資家向け固定金利型の暗号資産プラットフォーム「TSI」を発表
- FireblocksのMPCウォレット技術とECNを統合し、予測可能な固定期間の資金調達を実現
- DeFi ModeとIndication Modeの2つの取引モードを提供し、用途に応じた柔軟な利用が可能
機関投資家向け暗号資産レンディング「Term Structure Institutional（TSI）」とは？
2025年9月24日、香港の Term Structure Labs Limited は、機関投資家向けに暗号資産を固定金利で貸し借りできる新しい取引プラットフォーム 「Term Structure Institutional（TSI）」 の提供開始を発表しました。
このサービスの主な対象は、ヘッジファンドやアセットマネージャー、適格な金融機関などの大規模投資家です。TSIの特徴は、予測可能で安定した資金調達を可能にする点にあります。
TSIの技術基盤：MPCウォレットとECNの融合
TSIは、Fireblocks の Multi-Party Computation (MPC) ウォレット技術と、Electronic Communication Network (ECN) を組み合わせることで、予測可能な固定期間の資金調達を実現しました。
この仕組みにより、資産の一方的な操作を防ぎつつ、セキュリティと透明性を両立した環境が提供されます。
デュアル運用モード：利用シーンに応じた取引環境
TSIでは、機関投資家がニーズに合わせて選べる 2つの運用モード を採用しています。
-
DeFi Mode
匿名で取引を行い、自動化されたスマートコントラクトによって決済を実施。中央集権的な注文マッチングと分散型の実行を組み合わせ、深い流動性を提供します。 -
Indication Mode
あらかじめ合意した機関投資家同士で取引を行う形式です。条件のカスタマイズや柔軟な決済方法に対応しており、個別性の高いニーズに適した仕組みになっています。
エンタープライズ級のセキュリティ
セキュリティ面では、Fireblocksの2-of-2 MPC署名方式を導入し、分散型の鍵管理を実現。これにより、単一の管理者が資産を勝手にコントロールすることを防ぎ、コンプライアンスやリスク管理に対応できる仕組みを整えています。
さらに次のような機能も備わっています：
- 担保の自動モニタリングと清算機能
- マルチシグネチャによる出金管理
- 包括的な監査証跡
TSIが解決を目指す市場課題
TSIは、機関投資家が直面する課題である、「オープン期間市場における不安定な資金調達、分散型プロトコルにおけるセキュリティリスク、OTC市場での非効率的な価格発見」に対応します。
プラットフォームは、機関投資家の参加に不可欠な透明性のあるベンチマークと標準化された取引条件を提供します。
Term Structure Labs LimitedのCEOである Jerry Li氏 は次のように語っています。
「金融機関には、従来の債券インフラに匹敵するレベルの確実性が求められます。TSIは、機関投資家のデジタル資産戦略に必要なエンタープライズ級の管理機能を提供します。」
TSIは機関投資家規模の取引に対応しており、適格な市場参加者は専用のオンボーディングプロセスや統合サポートを受けることができます。
Cryptide AIがポイントを解説
ここからは、Cryptide AIが分かりにくい部分をピックアップして解説します！
分かりにくい用語などを解説
- 固定金利の暗号資産レンディングとは？
- 暗号資産を貸した側があらかじめ決められた金利を受け取れる仕組み。借りる側は返済時の条件が変わらないので計画的に資金を使える。
- MPCウォレットって何？
- 一人ではなく複数の署名がなければ操作できない仕組み。内部不正や外部攻撃を防ぐ効果がある。
- DeFi ModeとIndication Modeの違いは？
- DeFi Modeは自動で匿名取引ができ、Indication Modeは合意した相手と条件を設定して取引できる。
気になる点をピックアップ解説
「なぜ機関投資家は固定金利に注目するのか？」という部分をピックアップ解説します。
暗号資産市場は金利が大きく変動するため長期的な予測が難しくなっています。数千万〜数億ドル単位の大口取引を行う場合、変動金利で借入や貸出を行うと資金調達コストや利回りが大きく揺れます。固定金利であれば収益やコストを事前に把握できるため、大規模な運用を行う機関投資家にとって安定性のある借入手段となります。
総合的なまとめ
Term Structure Institutional（TSI）は、暗号資産の世界で「固定金利」という新しい選択肢を提供し、機関投資家が安心して利用できるプラットフォームを目指しています。大規模な投資家が求める 透明性・セキュリティ・予測可能性 を兼ね備えたサービスとして、今後の展開が注目されます。
参考URL：
