プレスリリースのポイント
- ベトナムのSSI Digitalが、Web3とAI革新を支援するために2億ドルの投資ファンドを設立
- 東南アジアのWeb3市場は2032年までに29.6億ドルを超える成長が予測される
- ベトナムがブロックチェーンとAI技術革新の重要拠点に
ベトナム発!東南アジアを牽引するWeb3とAIの先進的な取り組み
ベトナムのSSI Securities Corporation傘下の技術部門であるSSI Digital(SSID)が、ブロックチェーンやAI分野の先進的な取り組みを支援するため、2億ドル規模の投資ファンド「SSI Digital Ventures」を立ち上げました。
従来の企業がWeb3技術を長期的なデジタル戦略に取り入れる流れの一環として実施され、金融、通信、航空といった多くの業界で、分散型技術の活用が進められています。
東南アジアにおけるWeb3市場とブロックチェーンの進展
Southeast Asia Web 3.0 Market Size, Share, Forecastレポートによると、本地域のWeb3市場は2032年までに29.6億米ドルを超え、2024年から2032年にかけて年平均成長率40.1%の成長が見込まれています。
さらに、Asia’s Web3 Playbookでは、2024年に30社以上の東南アジア企業がAI技術を中核業務へ取り入れており、ブロックチェーンとAIが地域の技術基盤として急速に浸透しています。加えて、約70%の東南アジアの利用者がメタバース関連技術に触れており、広範なデジタル受容性も確認されています。
伝統産業におけるブロックチェーンの活用事例
従来の大企業も、ブロックチェーンを基盤とした先進的な取り組みを実施しています。
主な活用事例は以下の通りです。
- フィリピンのBDO UnibankはRippleと連携し、国際送金の処理速度向上とコスト削減を実現
- シンガポールのDBS Bankは「DBS Digital Exchange」を立ち上げ、デジタル金融エコシステムの構築を進めています
- タイのThai Airwaysは、ブロックチェーンを電子チケット発券システムやロイヤルティプログラムに導入し、業務効率化と不正防止に寄与
- マレーシアのAxiata GroupはデジタルID管理でのブロックチェーン活用を試行し、個人情報保護とサイバーセキュリティの向上を目指しています
ベトナムにおけるWeb3推進と企業連携
ベトナムは、政府の支援や優秀な技術者、企業主導のイニシアティブにより、ブロックチェーンとAI技術革新の重要拠点として注目されています。
主な取り組みは以下の通りです。
- FPT Corporationは、Vietnam Airlinesとの連携で、ロイヤルティシステム、ECサイト、デジタル契約管理の近代化を目指し、グローバルなネットワークにも参加。
- Vingroupはサイバーセキュリティ部門VinCSSを通じ、デジタルIDソリューションの開発に取り組み、安全なデジタルサービスの実現を推進。
SSI Digitalは、今回の「SSI Digital Ventures」設立により、早期段階のブロックチェーンやデジタル技術スタートアップへの投資を加速させるとともに、国内外のパートナーとの共同投資枠として最大5億ドルの資本調達スキームも導入しています。
2025年までには、ベトナム拠点のプロジェクト10件以上に最低1,000万ドルの資金を提供する予定です。また、HanoiのHoa Lac High-Tech Park内に1.7ヘクタール規模のデジタル&ブロックチェーン・イノベーション・コンプレックス(先端技術開発拠点)を設置し、実証実験や研究開発の拠点として整備される予定です。
SSI Digital(SSID)のCEO、Mai Huy Tuan氏は、現在ベトナムの人々が多くのデジタル資産を保有していると指摘し、これらの資産が適切に規制されれば、国家の資本として非常に強力な原資になり得ると述べています。
企業と政府が連携し、デジタル社会への移行に本格的に取り組む姿勢を明確に示しています。SSI Digitalは、GM VietnamやVietnam Tech Impact Summit(VTIS)といった大規模イベントを共催することでデジタル戦略を始動しました。
まとめ
従来型企業がブロックチェーン技術の積極導入に踏み切ることで、東南アジアのデジタル経済は新たな局面を迎えています。
ベトナムは、企業主導の革新、インフラ整備、そして国境を越えたパートナーシップにより、地域全体のデジタル化促進において重要な役割を担っています。
今後、法制度の整備が進む中で、これらの動きがさらに拡大し、持続可能なデジタル経済への発展が期待されます。
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